高齢化に伴い様々な身体の問題が生じ、それが生活に影響することも少なくありません。
食事においても、誤嚥や窒息という形で支障をきたすことが増える傾向にあります。
窒息とは、
呼吸が阻害されることによって血中酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が上昇して、脳などの内臓組織に機能障害を起こした状態をいいます。
成人の窒息は、餅など、食べものをのどに詰まらせることが最も多く、飲み込む力が弱くなったお年寄りに高率です。
(日本気管食道科学会HP参照)
特にお正月など、高齢の方がお餅を喉に詰まらせて窒息したという話をよく聞くのではないでしょうか。
まずは窒息を防ぐことが大切ではありますが、万が一窒息した場合に、そのことにすぐ気付けることも大切です。
窒息のサインとして有名なのが、
(1)チアノーゼ…指先や口唇が青紫色に変色する
(2)チョークサイン…自分の喉を親指と人差し指でつかむ
(3)声が出せない
(4)呼吸困難
などです。
また、窒息を発見した際の対応策としては
(1)背部打叩法、(2)ハイムリック法などがあります。
(1)の方法については「患者の後ろから、手のひらの基部で左右の肩甲骨の中間あたりを力強く何度も叩く(日本医師会)」といったもので、
(2)の方法については「患者の背部に回り、片手のこぶしを患者のみぞおちの下端に当て、もう一方の手でこれを覆い両手で強く横隔膜を上方に突き上げる(日本気管食道科学会HP参照)」といったものです。
その他にも、掃除機を使用した方法もあり、専用のノズルあるいは先細(隅用)ノズルを掃除機の先端に装着し、それで気管の異物を除去するという方法があります。
実際にしょうわでも、窒息時の緊急対応のため、掃除機+吸引用の専用ノズルがフロアの複数箇所に設置しており、万が一に備えております。
どの対応も落ち着いて行うことが何より重要です。事前に上記の知識を知っていただき、いざという時の対応が迅速に行えることが望ましいです。
窒息というのは誰もが避けたい事態ではありますし、特に飲み込みの力が弱った方が自宅でお餅などリスクの高い食べ物は避けた方が安心です。
しかし、お正月においては、「お餅なしでは味気ない」と感じる方が多いのも事実です。
だからこそ、しょうわではお餅つきをイベントとして開催しており、看護師が緊急時の対応をすぐ行えるよう見守りを行いながら、利用者にお餅の提供も行っています。