物事を決める時にいろいろと迷うのは「世の常」なのでしょうか。ゆっくりと考える時間がある時もあれば、急いで決めなければならない時もあります。
以前ある大学教授が、たしか新聞のコラムで「医療は勝利することはない、何故なら人には寿命があるから」と書いていたのを読みました。私達が日々悪戦苦闘している「老人介護」の場面では特にそのことが実感されます。
私達が「寿命」というものを「生物学的」な問題と捉えるならば、確かに医療・介護は敗北の連続です。しかし「精神的」な問題も含んでいるとしたら、決して敗北ばかりではないことも経験的に知っています。
ご家族にはいつも「今を大切に」「本人の好きなように」とお話させていただいておりますが、「本人らしさ」を大切にした介護は、「精神的」にとても重要な要素のように思います。やるべき事をやった後には、「悲しみ」を「安堵感」や「満足感」が包んでくれるような気がします。
ご本人やご家族、そして介護に携わる私達……。すべての人が、穏やかな気持ちで迎えられるように。「後悔しない介護」のために。
毎日が決断です。